夫名義のマンションについて夫が負担している住宅ローンがいわゆるオーバーローンの場合に、マンションを財産分与から除外した事例

事案の概要

Xさんは、夫Yに対して離婚調停を申し立てました。財産分与に関し、Y名義のマンションがありましたが、このマンションは、マンション価格よりもローン残高の方が大きい、いわゆるオーバーローンの状態でした。Yは、マンションを含む積極財産から住宅ローンを含む債務を控除すべきであると主張しました。そのとおりに算定すると、Yは債務超過であり、Xさんへの財産分与は計算上マイナスとなってしまうことになりました。

解決までの流れ

当事務所は、このような分与は不当であり、オーバーローンのマンションは無価値として分与対象から除外すべきであるとを主張しました。調停では、この主張が容れられ、マンション以外の夫婦財産を分与対象とするという方向で、調停が成立しました。

コメント

この事例で採用された、財産分与対象からマンションを除外するというのは、積極財産からマンションを除外し、消極財産からローンを除外するということです。これにより、夫にマンション以外の資産があるときは、その資産が分与対象となります。自宅がオーバーローンであるからといって、オーバーする額(負債)が分与対象に含まれるということにはならないのです。

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