セクハラの相手から損害賠償と直筆の謝罪文を取得して和解した事例
事案の概要
Xさんは、会社の同僚であるA氏からセクハラを受けていました。二人で出張に行った際、宿泊先ホテルでA氏が自分に部屋に来るようにXさんを誘う、Xさんが断ると、翌朝、下品な言葉でXさんをなじる。よろけた振りをして、衣服の上からXさんの胸や下腹部に触る、などの行為を続けました。
Xさんは、A氏の非行を会社に告発しました。会社では事実関係を調査し、A氏を出勤停止の懲戒処分に処しました。
一方、Xさんは、謝罪と損害賠償を請求したいと当事務所に相談に来られました。
解決までの流れ
当事務所では、直ちにA氏に連絡を取り、Xさんの意向を伝えました。A氏はこちらの要望を受け入れると答えました。ところが、A氏に代理人が就くと態度を一変させ、セクハラはしていない、冗談でしたことで、セクハラというのはXさんの被害妄想であると言い出しました。
A氏の代理人に対して、このままでは訴訟を提起する。金額の問題ではないと抗議しました。結局、A氏がXさんに直筆の謝罪文を差し入れる代わりに、Xさんは、謝罪に免じて慰謝料の減額に応じることで、話合いがまとまりました。
コメント
法律上、謝罪請求権という権利は認められませんが、和解を進めるうえでは不可欠だと思われます。その謝罪が、直筆の謝罪文であれば、相手の怒りを鎮めるのにより大きな効果があると思われます。特にセクハラの慰謝料は低額なので、慰謝料だけでは和解の成立は困難でしょう。