金融機関から70万円の支払の請求をされた依頼者が、時効を援用して債務をゼロにした事例

事案の概要

会社員のXさんは、約6年前に、A社から50万円借りました。A社は定期的にXさんに対し、葉書で支払いを催促していましたが、Xさんが長期間返済をしなかったため、Xさんに対し、支払督促をしました。Xさんは、自身の債務が、既に時効になっているのではないかと考え、当事務所に相談に来られました。

解決までの流れ

支払督促は、2週間以内に異議を申し立てないと判決が確定してしまうため、当事務所の弁護士は、受任後すぐに簡易裁判所に対し、異議を申し立てました。同時に、A社に対し、Xさんとの取引履歴の開示を求めました。その結果、Xさんの最終返済日からすると、Xさんの債務は、既に時効が完成していることが判明しました。

その後、A社は通常訴訟まで提起してきましたが、当事務所の弁護士が、時効援用の通知書をA社に対し送付したところ、A社は訴えを取り下げ、Xさんの債務はゼロになりました。

コメント

金融機関から借り入れ、返済をせずにいると、金融機関から葉書が届き、定期的に支払いを催促されることがあります。確かに、催促された後、訴訟を提起されるなどすれば、時効の完成が遅くなりますが、催促されるだけでは、法律上の「催告」には該当せず、その後いくら金融機関が催促しようと時効期間は伸びません。

多くの方は、葉書が定期的に届いているから、時効が伸びていると考えてしまい、不必要に返済をしてしまうケースがありますが、実際は、Xさんの場合のように、時効が完成しているケースもあります。Xさんは、弁護士に相談することで、不必要な支払いを免れ、債務をゼロにすることができました。

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