被相続人の両親及び弟妹が相続放棄した事例
事案の概要
Aさん夫婦の間には、3人の子(B、C、D)がいました。このうちBさんは、事業に失敗し多額の借財を抱えていましたが、病を得て、亡くなってしまいました。後に残されたAさん夫婦は、Bさんの財産状態を考えた末、相続を放棄をすることを希望して、当事務所を訪問されました。
解決までの流れ
死亡当時、Bさんは賃貸マンション住まいでした。また、自動車を所有し、駐車場を借りていました。当事務所は、マンション契約の解約・明渡し及び敷金の回収、自動車の売却処分及び駐車場契約の解約は、いずれも保存行為であって、法定単純承認にはならないと判断して、これらを実行しました。
また、戸籍調査の過程で、Bさんには、弟Cさん及び妹Dさんがいること、子はいないことが分かりました。Cさん、Dさんも相続放棄を希望されたので、これらの方々について相続放棄の手続を取ることになりました。
こうしてBさんの相続資格者全員が相続を放棄しました。
コメント
相続放棄において、被相続人の財産を処分する行為が保存行為の範囲内か否かは、悩ましい場合があります。しかし、マンションの賃貸借は放置すればどんどん家賃が発生します。また、自動車は放置すれば価値が下がります。賃貸借の解約や自動車の処分は、まさに保存行為といえます。
Aさん夫婦が相続放棄をすると、Cさん、Dさんが相続人となります。しかし、これでは問題が解決しません。戸籍調査をしてすべての相続資格者を発見し、相続を放棄するか否かの意思確認をすることが必要です。