フランチャイジーからのフランチャイズ契約の解約申入れに対して、残存契約期間分のロイヤリティ支払、在庫商品の廃棄を条件にして合意解除に応じた事例
事案の概要
愛鳥用飼料等をディーラー向けに販売しているA社は、その商品の専門店として同一商号で販売したいというB氏との間で、フランチャイズ契約を締結しました。しかし、様々な事情から両者の関係が悪化し、B氏からA社に対し、翌月末日限りの解約、解約日以後のロイヤリティ支払の停止、在庫品の買戻しの申入れがなされました。
A社は、自社に不利にならないよう解決したいと、当事務所に依頼されました。
解決までの流れ
契約書上、契約期間は5年で中途解約条項はなく、期間満了日まで28か月が残っていました。また、契約終了後の競業禁止が規定されていました。
当事務所は、交渉の末、B氏は残存期間28か月分のロイヤリティを一括支払する、解約日現在の保有在庫はすべて廃棄する(A社は買い戻さない。B氏は販売しない。)、その代わりB氏の競業は禁止しないこととして、解除に応じました。
コメント
フランチャイズ契約は、特約店契約の一類型ですが、仕入販売だけではなく、フランチャイザーが商標やマークの使用許諾、販売ノウハウの提供、経営支援などを行い、フランチャイジーがロイヤリティを支払うという取引形態です。
フランチャイズ契約では、フランチャイジーに対して契約終了後の競業を禁止する例が多いですが、それでは過度の制約になるので、状況に応じ、フランチャイザーにとって有利な条件を引き出す代わりに、禁止の内容を緩和して解決を図ることが適切です。