会社に資料の開示を求め未払残業代150万円を回収した事例
事案の概要
Aさんは、レストランの料理スタッフとして勤務していた会社から、残業代が支払われたことがありませんでした。そればかりか、レストランの開店前や閉店後の時間は下準備や清掃作業をしていても、日報に「休憩」と記載するように会社から指示されていました。このような会社の振る舞いに疑問を持ったAさんは退職を決意し、退職日までの数ヵ月間、会社に提出する業務日報をコピーし、ご自身で保管されていました。そして、退職後、Aさんは未払いの残業代を請求したいと、日報のコピーを持参して当事務所に相談しました。
解決までの流れ
当事務所の弁護士は、Aさんが持ち込んだ日報から立証できる一部の残業代は支払われる可能性が高いことをお伝えしました。一方で、「休憩」と記載された開店時間外の業務時間については、実際に休憩していたのか、それとも清掃作業などをしていたのかの区別が難しいため、全てを労働時間とするのは難しいこともご説明しました。
弁護士は、早速、会社へ資料開示を求め、開示された資料と日報を基に、休憩時間を労働時間から控除して、Aさんの未払い残業代を計算しました。そして、計算方法などを詳細に記載した書面を会社へ送付しました。会社は、変形労働時間制の適用など様々な反論を並び立てましたが、どれも根拠のない一方的な主張でしたので、弁護士は一つ一つ根拠を示しながら丁寧に反論しました。
すると、書類を送付してから2週間で会社は請求に応じ、最終的に会社がAさんに解決金150万円を支払うことで和解が成立しました。
コメント
今回のように、業務日報のような日々の就業時間を証明できる資料は、残業代請求の証拠として役立つ場合があります。残業代請求を決意されたら、「実際に何時から何時まで働いたのか」を証明する資料の収集をお勧めします。もちろん、証拠がない場合でも、弁護士が会社側に資料の開示を求めるなどして交渉することも可能です。まずは当事務所までお気軽にご相談ください。