元夫の事業資金の連帯保証債務約4670万円の負債を0円にした事例
事案の概要
10年前、Aさんは、夫(株式会社を経営)Bさんが金融機関から受けた融資800万円について連帯保証をしました。なお、AさんはBさんの事業にはほとんど関与していませんでした。その後も、Bさんは同金融機関から計1400万円の追加融資を受けており、そのいずれについてもAさんは連帯保証しました。
東日本大震災の影響で受注していた仕事がキャンセルとなったことを主因としてBさんの事業の資金繰りは悪化してしまいました。Bさんは、Aさんの与り知らないところで個人的に融資を受け資金を回していたようです。
しばらくののち、Aさんは、性格の不一致や金銭管理についての不信感を理由としてBさん離婚しました。離婚の際、BさんはAさんの連帯保証について外すよう各債権者と交渉するとのことだったので、以後債権者からの請求はされないものとAさんは信じてしまいました。
しかし、Aさんが連帯保証から外れることはなく離婚後も金融機関からの督促は止まりませんでした。また、Bさんは、Aさんの与り知らないところで個人的に融資を受けており、その金銭消費貸借書の連帯保証人欄にAを取り交わし印鑑もついておりました。この件で債権者からストーカーまがいの督促を受け続けたAさんは精神的にも疲弊してしまい精神的な病を患うに至ってしまいました。
Aさんは自身に降りかかる各種請求の解決のために当事務所に相談されました。
解決までの流れ
Aさんにお話をお伺いしたところ、負債額は遅延利息を含めて4500万円を超えていたため、返済は不可能でした。また、身に覚えのない連帯保証債務について金銭消費貸借書の偽造・有効性を争ったとしても、金融機関からの連帯保証債務を解決することは出来ず、主債務者である法人も休業状態であり債務の履行を期待することはできないことから、破産手続で解決を図ることにしました。
コメント
本件については、負債額は高額である点と、身に覚えのない連帯保証についての調査が必要との点で少額管財事件となってしまいましたが、問題なく免責許可を得ることができました。