家庭内別居で離婚が認められた事例
事案の概要
Aさん(夫)とNさん(妻)は夫婦仲が悪化し、互いに口もきかなくなりました。食事も寝る場所も別々になりました。住居はNさんの親が贈与したマンションでしたが、Aさんが家を出ることはなく、いわゆる家庭内別居状態となりました。数年後、業を煮やしたNさんは、離婚を求めることにしました。
解決までの流れ
当事務所が代理人となって、Nさんは離婚調停を申し立てました。Aさんは自宅に届いた呼出状を決して受け取らなかったため、調停は不調に終わりました。次いで、訴訟を提起しましたが、こちらでも呼出状を受け取らなかったので、就業場所送達が行われました。しかし、Aさんは一度も出頭してきませんでした。裁判所は、Nさんに対して証拠の提出を促し、Nさんが提出した証拠に基づいて、Nさんの主張する事実関係を認めるに足りる証明がなされたとして離婚判決を下しました。
この後の経緯は割愛しますが、結局、Nさんは、Aさんを自宅から退去させることができました。
コメント
家庭内別居であっても、その状態が継続すれば離婚原因となります。別居するだけの経済力がなければ家庭内別居になりますし、本件のように、存在を無視するという態様の家庭内別居も起こります。
相手が、交渉にも訴訟にも一切応じない場合でも、離婚判決をもらうことができます。ただし、自分が主張する事実(特に財産分与)を認めてもらうに足りる証拠を提出しなければなりません。