夫に支払う慰謝料を減額して協議離婚が成立した事例

事案の概要

既婚者であるAさんは、夫との不仲が続き、夫婦で離婚に向けて話し合いをしていました。ところがその後、Aさんが職場の同僚男性と不倫関係にあったことが夫に発覚し、Aさんは夫から高額な慰謝料を請求されてしまいました。Aさんと夫はすでに夫婦としての実態はなく、なるべく早く離婚を成立させたいAさんは、今後の交渉を弁護士に依頼しようと考え、当事務所にいらっしゃいました。

解決までの流れ

ご相談の際、Aさんは不倫の事実は認めるが、不倫が原因で離婚するわけではないから夫から示された慰謝料の金額を減額したいと希望しました。弁護士は慰謝料の一般的な相場や協議離婚が成立しない場合の手続の流れを説明しました。
Aさんから正式にご依頼いただいた弁護士は、夫の代理人と交渉を開始しました。当事務所の弁護士は、Aさんの不貞が始まった時期には、すでに夫婦の婚姻関係は円満ではなかったこと、不倫が発覚する前から夫婦間で離婚協議の話を進んでおり、不貞は離婚原因ではないことを主張し、提示された慰謝料の減額を求めました。
夫側は慰謝料の減額になかなか応じようとしませんでしたが、粘り強く交渉を続け、夫の婚姻費用の負担のリスク等を効果的に主張することにより、最終的には、慰謝料は当初の請求額の5分の1に減額した金額を支払うことで、協議離婚が成立しました。

コメント

離婚に伴う金銭給付は何を原因として請求するかを意識して交渉に臨むことが大事です。また、離婚事件は解決まで時間がかかることが多いですので、今後の見通しを具体的に想定して判断を下す必要があります。今回のケースでは、上記のポイントを十分に理解できていたからこそ、早期に依頼者にとってメリットのある解決ができたといえるでしょう。離婚協議では高度な法的知識や経験が必要とされることがありますので、まずは専門家である弁護士に相談されることをお勧めします。

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