他の相続人に対して遺留分減殺請求を行い4200万円獲得した事例
事案の概要
Aさんの夫(被相続人)が肺がんで亡くなりました。法定相続人は、妻であるAさんと、前妻との間の子2名の合計3名です。被相続人は自筆証書遺言を残していましたが、その内容は相続財産のほとんどを子らに相続させるものでした。被相続人は非上場会社の社長をしており、不動産も複数所有している資産家でした。Aさんは、専業主婦として長年被相続人を支えてきたにもかかわらず、遺産を相続できないとなると、生活が困窮してしまいます。そこで、Aさんは、子らに対して遺留分減殺請求をするため、当事務所にご相談くださいました。
解決までの流れ
被相続人さんの遺産は、不動産、有価証券、非上場会社の株式、そして預貯金でした。当事務所の弁護士が調査したところ、上記の他に、子らが、生命保険金と退職慰労金を受けとっていることが判明しました。生命保険と退職金は相続財産に含まれないのが原則ですが、本件では、その金額が大きく、被相続人の遺贈に近い性質がありましたので、弁護士は、特別受益を主張しました。
子らとの話し合いはなかなか進展しない状態でしたので、Aさんは審判も見据えて調停を申し立てました。
調停では、非上場会社の株価、退職金等の特別受益性が争点になりましが、弁護士が過去の裁判例等を踏まえて説得的な主張を繰り返したところ、子らは、当初1円も支払わない姿勢から大幅に譲歩し、最終的には4200万円を支払うことで合意し、調停が成立しました。
コメント
遺留分減殺請求は相続が開始されてから1年以内に行う必要があります。遺留分を請求する場合には、遺産や生前贈与があったかどうか、その評価額がいくらか、が大きな争いになることが多く、複雑かつ専門的知識を必要とします。
今回は、評価額の点においてとても有利に進めることができたケースでした。遺留分についてお困りの方は、当事務所にご相談ください。