住宅を維持しつつ、浪費で形成した負債約2400万円を約430万円に圧縮した事例
事案の概要
15年前、Zさんはクレジットカードを作成し、日用品の購入や交際費等の支払の際にクレジット払いを利用するようになりました。
10年前、Zさんは、住宅金融支援機構で住宅ローンを組み、都内の分譲マンションを購入しました。
半年後、Zさんは多忙となり、ストレス発散を目的としてブランドバッグの購入を行なうようになりました。また、交際相手との交際費や旅行費などを捻出するために既存のカードのみならず、新たにクレジットカードを作成したり、新規に借入を行なうようになった結果、以後負債が急増することとなりました。
最終的に住宅ローンを除いた負債総額が約2400万円まで膨れ上がってしまい、自力での生活再建が困難だと判断したZさんは、当事務所に相談されました。
解決までの流れ
Zさんは自宅マンションの維持を希望していたため、住宅ローン特例を利用した個人再生手続きで解決を図ることにしました。
なお、自宅不動産の査定を取ったところ、アンダーローン評価(住宅ローン残額よりも不動産の評価額が高額の状態)であり、自宅評価額を含めた清算価値は430万円となりました。
最低弁済額の基準では返済総額は300万円となるところ、清算価値がこれを上回ったため430万円を返済する再生計画を立てることになることをZさんに説明し、ご理解をいただいたうえで申立を行ないました。
最終的に、住宅ローン特例を利用しての再生計画案は認められ、自宅マンションを維持したまま、2400万円の負債を430万円に圧縮することに成功しました。
コメント
住宅ローン特例を付した個人再生手続きを利用すれば、自宅不動産を残して負債の圧縮を図ることができます。
また、本件では清算価値基準での再生計画案を作成しております。
個人再生手続きによる返済額は、最低弁済額の基準(負債総額に応じて定まる基準)と清算価値の基準(個人再生に臨もうとする人が所有している財産総額の基準)のどちらか大きい方を返済する必要があるためです。