年金分割が未了であったことから調停に代わる審判離婚が成立した事例
事案の概要
Xさんは、夫であるA氏の不貞行為がきっかけとなって、A氏との関係が悪化しました。A氏は、家を出て別居し、離婚調停を申し立てました。
Xさんは、A氏は有責配偶者であるとして頑なに離婚を拒否していましたが、調停を続けるうちに、離婚を受け入れることにしました。年金分割の割合は0.5で合意しました。しかし、その時点では、Xさんはまだ年金分割に関する情報通知書を入手していませんでした。
解決までの流れ
調停条項には双方が合意していましたが、年金分割情報通知書がない状態では、年金分割条項を含む調停離婚を成立させることができません。
そこで裁判所は、調停期日において当事者双方の意思を確認したうえで、その期日での調停成立を見送り、年金分割情報通知書が提出された時点で調停に代わる審判離婚を成立させることにしました。
後日、年金分割情報通知書を入手した当事務所はこれを裁判所に提出し、審判離婚が成立しました。
コメント
Xさんは、ずっと離婚を拒否していたために、年金分割に関する情報提供を請求していませんでした。そのため、情報通知書の取得が調停に間に合いませんでした。本件は、調停に代わる審判という手続きを有効活用した事例です。