駐車場として使用していた賃貸用マンションの敷地の一部について、明渡しを請求された事案
事案の概要
Nさんは、デヴェロッパーであるA社から投資用物件としてマンション1棟を購入し、A社を管理会社として、マンション経営をしてきました。ところが、A社と突然連絡が取れなくなり、まもなく隣地所有者のKさんから、駐車場として使用しているマンションの敷地の一部はK氏所有地であり、Nさんが不法占拠しているから同土地を明け渡すよう請求されました。突然の請求に、Nさんはどう対応するかを相談しに当事務所を訪問されました。
解決までの流れ
調べてみると、確かに敷地の一部はKさん所有地でした。この部分はもともとA社がKさんから賃借していたものであり、A社は、その事実を知らせずに、マンションの敷地に含まれるものとしてNさんに販売したものでした。そのA社が突然事業を停止し、Kさんに対する賃料支払がストップしたことが、明渡し請求の原因でした。当事務所はKさんに金銭的解決を提案しましたが、Kさんは頑として応じませんでした。
当事務所は、A社に代わってマンション管理を引き受けたI社に対し、当該敷地部分の駐車場利用者に代替駐車場を提供して移ってもらい、当該土地をKさんに明け渡すよう指示しました。幸いなことに代替駐車場への引越しはスムーズに進み、土地の明渡しを早期に完了することができました。
コメント
自分が購入した土地が公簿上の記載に一致しているかどうかは、現地を確認すればわかるはずです。Nさんも、現地を訪れていれば、敷地が公簿上の面積より広すぎることや構図と一致しないことは分かったはずです。A社の口車に乗せられて、言いなりに物件を購入したことがトラブルの原因となりました。