離婚を頑なに拒否する夫から慰謝料を獲得して協議離婚が成立した事例
事案の概要
Aさんは10年ほど前に夫と結婚し、子どもが2人いました。家族4人で平穏に暮らしていましたが、ある日夫の浮気が発覚しました。日常的に夫のモラハラ発言に悩んでいたAさんは離婚を決意し、当事務所に相談しました。
解決までの流れ
夫の浮気については十分な証拠がありましたので、協議離婚の成立に向けて夫と交渉しました。夫は浮気を認めるものの、それだけは離婚は出来ないと主張し、離婚に応じようとしませんでした。Aさんの希望により調停や裁判を避けて穏便に協議離婚を成立させたいと考えていた弁護士は、夫に離婚事由があることや慰謝料の相場について指摘し、長期化することの不利益を説明しました。その後、電話やメールのやり取りを何十回と行い、粘り強く交渉を続けたところ、当初は頑なに離婚を拒否していた夫も、条件次第では離婚に応じる姿勢を示しました。とはいえ慰謝料を免除したり財産分与を放棄したりすることは出来ませんので、財産分与の取り決めとして、夫の希望通り自宅を処分し、子どもとの面会交流をちゃんと実現することを約束することで協議をまとめることができました。最終的には訴訟や調停に移行せずに離婚が成立し、お子さんの養育費も大学進学時の部分も含めて合意することに成功しました。
コメント
今回のような相手方に浮気=不貞行為があった場合、証拠からそのこと認められれば民法上の離婚事由に該当するため、訴訟提起をすれば離婚が可能です。したがって、今回のケースでも最終的には裁判を提起して離婚を求めれば離婚することができます。しかしながら、裁判となると1年以上の期間がかかってしまう可能性があります。したがって、離婚を請求する方の精神的な負担も大きくなってしまいます。そこで、訴訟になった場合の見通しを相手方に伝えてできるだけ長期化させずに解決する方法をまずはとるべきです。この点は専門的な法的知識が必要となりますので、離婚をお考えの方は一度、当事務所にご相談ください。