友人に騙されて負った負債400万円を0円にした事例
事案の概要
半年前、Xさんは、中学時代の知人Z氏から連絡を受け、食事をすることにしました。
会って話をする中で、Xさんの資産を増やしてあげるというZ氏の甘言に騙され、Z氏にお金を渡してしまいました。
その後も、Z氏から要求を受けたXさんは、貸金業者から120万円を借り入れてZ氏に預け、自身の所有するクレジットカードをZ氏に渡してしまいました。なお、渡したクレジットカードは、Z氏の不正利用(主にギャンブル)により、280万円の枠を全て使用されてしまいました。
Z氏に対し返金を求めるも返金がなされなかったことから、Xさんはこれを回収すべく当事務所に相談されました。
解決までの流れ
担当弁護士は、Z氏から債権を回収できれば事件は解決となるが、その間の返済についてどのように対処するか、という点についてXさんにしっかり説明しました。
Xさんの収入状況的には400万円の負債を分割で返済していくことが困難であったこともあり、債権回収が達成できなかった場合には、Xさんの生活は立ち行かなくなってしまいます。
Z氏からの回収が難しそうとの所感を抱いた担当弁護士は、「Z氏に対する債権回収と、債権者に対する弁済に関する交渉」という形で本件手続きを受任し、Z氏からの回収ができなかった判明した時点で「Xさんの債務について破産手続きで解決する」という方針で手続きを進めることとしました。
担当弁護士は、受任後、速やかにZ氏の住所を特定し、内容証明を発信、その後Z氏と電話での交渉もしました。しかし、Z氏は返済するようなことは口ではいうものの一切の弁済はしませんでした。
そんな中、Xさんの債権者のうちの一社が訴訟提起をしました。
このままではXさんの給与差押え等、Xさんに不利益が生じてしまうことから、担当弁護士は方針を変更し、Xさんの破産申立を行ないました。
コメント
Z氏に対する債権の回収は、破産管財人の管理下に置かれることとなりました。
管財人においてもZ氏から回収を試みましたが、回収が困難であったようであり、最終的には債権の回収は未達のまま破産手続きは終結しました。
破産事件の終結により、Xさんは負債約400万円について無事免責を得る事ができました。