居抜き物件の借主である依頼者が、貸室内の備品を巡るトラブルに巻き込まれたが、穏便に解決できた事例
事案の概要
Yさんは、飲食店を開業しようと居抜きの物件を探していたところ、Aさんの所有する物件を気に入りました。Yさんは、Aさんと賃貸借契約を交わすことになり、Aさんに対し、室内の備品を譲り受ける対価も支払いました。
ところが、Yさんは、前借主であるXさんから貸室内の備品の売主は自分であると言われ、その代金を請求されました。
両者に費用を支払えば二重払いすることになるため、困ったYさんが当事務所に相談に訪れました。
解決までの流れ
当事務所の弁護士は、Yさんから賃貸借契約に至った経緯などについて詳細に聞き取り、また、関係書類一式を精査しました。
そうしたところ、本件においては貸室内の備品について、YさんはAさんに対してではなく、Xさんに対してその代金を支払うべきであり、Aさんにはその代金の受領権限が無いことが判明しました。
そのため、まずはYさんがAさんから代金の返還を受けた上で、YさんがXさんに対して代金を支払うべきであると考えました。
Yさんは、大家であるAさんには感謝こそすれ、事を荒立てる気はないことから、穏便に解決したいという希望がありました。そのため、弁護士はAさんに対し、Yさんが陥っている状況について、電話や書面で丁寧に説明した上、YさんがAさんに対して支払った代金を返還して欲しいと伝えました。
事情を理解したAさんは、Yさんに対して代金を返還することになり、YさんはAさんから返還を受けた代金をXさんに対して支払い、トラブルは解決しました。
コメント
Yさんの立場からすれば、法律上、Aさんに対する代金の返還請求権がある状況でした。
しかし、今後のAさんとYさんの関係を考えると、いきなり法律上の話を持ち出して解決することが妥当とは言えない状況でした。
当事務所の弁護士はそのことを踏まえ、できるだけAさんに協力を仰ぐ形で慎重に話を進めました。
弁護士に依頼をすると、事が大きくなりすぎるという心配をされる方もいらっしゃいます。もちろん、必要に応じて法的手段を取らざるをない場合もありますが、できるだけ慎重に話を進めることも可能です。
Yさんは当事務所の弁護士に依頼することで、満足する結果を得ることができました。