不貞慰謝料請求訴訟を提起されたが270万円の減額に成功した事例
事案の概要
Aさんは過去、既婚者の女性と不貞関係にありました。2年前、女性の配偶者に不貞の事実が発覚してしまい、Aさんは配偶者に土下座をして謝罪しました。その際、配偶者はAさんの謝罪を受け入れ、慰謝料の要求はしませんでした。ところがそれから1年が経過したころ、突然、Aさんのもとに女性の配偶者から慰謝料300万円を請求する書面が届きました。Aさんは解決済みの話だと思っていましたので大変驚き、今後の対応について当事務所にご相談くださいました。
解決までの流れ
本件の争点はAさんと配偶者の間で2年前に和解が成立しているかどうかです。当事務所の弁護士は、当時、Aさんと配偶者がやり取りを録音した音声を確認し、Aさんの認識が正しいと考えました。そこで弁護士は配偶者に対し、本件は和解済みであるがAさんの誠意として10万円の解決金を支払う旨伝えました。しかしながら、配偶者の理解は得られず、配偶者は代理人弁護士を立てて民事訴訟を提起しました。
訴訟では当時のやり取りを録音した音声を証拠として提出し、配偶者は1年以上Aさんにお金を要求していないこと等を適示し、本件は和解済みであると主張しました。加えて、今ごろになって配偶者が慰謝料を請求してきたのは妻との関係がうまくいっていないことが原因であることを突き止め、この事実を立証しました。
配偶者も強気の姿勢で反論していましたが、一通り審理を尽くした段階で、裁判官の心証はAさんに有利な内容でした。最終的に、Aさんが解決金30万円を支払うということで、和解が成立しました。
コメント
不貞の場合、当事者同士で話を付けて和解をするケースがあります。しかし、和解契約書の内容が不十分であったり、一方当事者に有利な内容になっていたり、中には書面として和解契約書を交わしていないケースもあります。本人としては解決した気になっていたとしても、経緯や書面を見るとかならずしもそうとは言えないケースも多く存在します。後で紛争が蒸し返されることを防止するためにも、和解をする際は細心の注意を払う必要があります。
不貞慰謝料を請求する人も請求される人も、専門家である弁護士の助言を受けることをお勧めします。まずは当事務所までご相談ください。