ゴルフ場で発生した、カートと自動車の接触事故で適切な賠償額を獲得した事例
事案の概要
Aさんはゴルフ場の駐車場に車を駐車しようとしましたが、満車だったため、付近の空いているスペースに一旦車を停止させ、駐車場が空くまで待機していました。すると、左後方からゴルフ場のカートが走行してきて、Aさんの自動車の左後方に接触しました。ゴルフ場のカートは決められたコースを自動走行する仕組みになっていましたが、Aさんが停止していた場所はカートの軌道上であったようです。
ゴルフ場はカートの軌道に停車していたAさんの責任であると主張し、Aさん損害(修理費用)の賠償を拒否しました。
納得ができないAさんは、今後の交渉を依頼するため、当事務所にお越しいただきました。
解決までの流れ
Aさんから相談を受けた弁護士は、事故状況を明らかにするため、調査会社を手配して、事故の経緯や現場の状況の調査を行いました。
調査の結果、Aさんの車が停止した場所は確かにカートの軌道上であることが分かりましたが、周囲にはカートの軌道であることが分かる注意書きはなく、遠く離れた駐車場の入り口に「カートとの接触注意」と書かれた標識があるだけでした。
弁護士は、裁判例等を調べてゴルフ場の注意喚起義務があることを確認し、Aさんの過失は著しく低いことを主張して、ゴルフ場と交渉しました。
強気の姿勢で粘り強く交渉を重ねた結果、最終的にゴルフ場に9割の責任を認める内容で和解をすることができ、Aさんは納得の行く賠償金を受け取ることが出来ました。
コメント
交通事故は道路だけでなく様々な場所で発生する可能性があります。道路上の事故であればある程度類型的に過失割合を判断することが出来ますが、駐車場や私有地など、道路以外の場所で発生した場合は、個別具体的事情を考慮して過失割合を決めなければなりません。
交通事故の過失割合についてお悩みの方は専門家である弁護士に相談されることをお勧めします。