マンションの管理費の未払や駐車場の無償使用に対する損害賠償請求において、一部支払を内容とする裁判上の和解が成立した事例
事案の概要
Aさんは元々所有していた土地を等価交換して、建築されたマンションの5室を取得しました(うち1室はAさんの居住用)。
Aさんはマンション管理組合の理事長に就任し、約17年間その地位にありました。
しかし、Aさんが、①管理費として管理規約上定められた金額よりも低い金額しか支払っていなかったこと、②組合から清掃費、会計費を得ていたこと、③駐車場を無償で使用していたことが問題となり、Aさんは理事長を退任させられました。
代わって理事長に就任したBさんのもと、管理組合はAさんに対し、①管理費の不足分、②お手盛りであるとして清掃費、会計費の一部返還、③未払駐車場代、としてこれらの合計2000万円のうち1500万円を一部請求する訴えを提起しました。
当事務所は被告であるAさんの代理人に就きました。
解決までの流れ
当事務所は、①について一部時効消滅、②についてお手盛りはなく適正金額であったこと、③については当初から無償合意があったと反論しました。
事件はほぼ2年間和解協議が続きました。
最終的に、①については管理組合の主張を大筋で認める、②は0とする、③は組合主張の4分の1とする、として合計約600万円をAさんが管理組合に支払うという内容の和解が成立しました。
コメント
和解金の捻出のため、Aさんはマンション1室を売却しました。
Aさんにはどこかにマンションのオーナー意識があったのだと思われます。