被相続人の息子が相続放棄した事例
事案の概要
Aさんは、母親とは10年以上疎遠になっていました。
ある日、Aさんの元に市役所から文書が届きました。
そこには、Aさんの母親が1年前に施設で亡くなったこと、息子であるAさんに火葬料を請求することが書かれていました。
Aさんにとって母親は他人も同然であり、遺産がどうなっているかも分かりません。
かえって施設の使用料などに未払があるかもしれません。
Aさんは相続を放棄すると決め、その手続きを当事務所に依頼されました。
解決までの流れ
母親の死亡は1年前ですが、Aさんがそれを知ったのは市役所からの手紙が来てからでした。
相続放棄の申述期間には十分に余裕がありました。
当事務所は、戸籍記録事項証明書など必要書類を取り寄せて、施設の所在地を管轄する家庭裁判所に相続放棄の申述書を提出しました。申述書は受理されました。
コメント
市役所から手紙が来なければ、Aさんは永遠に母親の死を知ることがなかったでしょう。
市役所もAさんを探し出すのには時間も手間もかかったでしょう。
万が一Aさんを探し出せなかったという場合、理屈の上では、相続人の所在不明として不在者の財産管理手続きが取られることになったでしょう。